はじめにかかるお金

予防注射などの経費

  • ワクチン接種 3種混合ワクチン1回3,000~5,000円
猫の場合、接種が義務づけられているワクチンはありません。しかし、危険な感染症を予防するため、混合ワクチンを接種する飼い主がほとんどです。
1回あたりのワクチン接種費用は、3種混合ワクチンで3,000~5,000円、5種混合ワクチンで5,000~7,500円ほどです。

子猫は生後6~12週に1回目のワクチンを受けることが推奨されており、これはブリーダーやペットショップで済ませていることが多いです。そこから2~4週空けて2回目の接種を行い、その後は年に1回の接種が理想とされています。

しかし、この接種頻度に関しては、獣医師によっても見解が異なるところですから、かかりつけの獣医師に相談するといいでしょう。

  • 健康診断 5,000円
子猫購入の際、すでに健康診断が済んでいる場合と、購入後の受診をすすめられる場合があります。基本的な検査で1回3,000~5,000円、レントゲンや超音波などの検査を加えるとなると、1万~3万円ほどかかることもあります。

動物病院、検査内容によって金額に差が出ますので、子猫を購入したブリーダーに相談してみるといいでしょう。

  • マイクロチップ 300円
子猫に装着されているマイクロチップの名義変更登録料は、300円かかります(紙で申請する場合は1,000円)。

ブリーダーから子猫を購入するときは装着済みですが、保護施設などから譲り受けて動物病院にマイクロチップの装着をお願いする場合は、3,000~1万円ほど。
購入時にマイクロチップ装着済みかどうか、またその代金が購入価格に含まれているかどうか、確認するといいでしょう。

初期生活用品の購入

子猫の生活用品にかかる費用は、2万7,000円~7万8,000円ほどかかります。

  • クレート・キャリー
  • フードボウル
  • 水入れ・給水器
  • ベッド
  • トイレ本体
  • 爪とぎ器
  • ブラッシング用品(ブラシ・コームなど)
  • 爪切り
  • おもちゃ
  • 首輪
  • キャットタワー

毎月かかるお金

フード・おやつ

  • キャットフード
  • おやつ

市販のフードは、素材や製法によっても価格が大きく異なります。
アニコムが発表している「家庭どうぶつ白書2022」によると、キャットフードやおやつの1か月の平均支出金額は、約4,400円※でした。
※1年間にかけたフード、おやつの費用から1カ月あたりの平均支出を算出。

日用品

  • 猫砂
  • トイレシート
  • ペット用のウェットシート
  • 除菌・消臭スプレー
  • その他消耗品(デンタルケア商品・シャンプーなど)

日用品にかかる費用は、1カ月で約1,400円ほどです。
※1年間にかけた日用品の費用から1カ月あたりの平均支出を算出。

医療にかかるお金

避妊・去勢手術

避妊・去勢手術にかかる費用は、動物病院によって大きく異なります。手術の方法、入院の有無などによっても差が出るようです。
日本獣医師会が実施した調査によると、8割以上の動物病院が5,000~2万円の範囲で猫の去勢手術をおこなっています。また、1万~3万円で避妊手術を行っています。

調査は手術のみの費用となるため、別途手術前の検査や麻酔料、術後の処置・投薬料やエリザベスカラー代などがかかることもあります。
同調査では手術前に行う血液検査は、4,000~1万500円程度、全身麻酔は5,000~1万2,500円、入院は1泊2,000~5,000円程度が回答数の多い価格帯でした。

予防接種と健康診断

アニコムが発表している「家庭どうぶつ白書2022」によると、1年に1回の健康診断や、混合ワクチンの接種、ノミ・ダニ対策など、愛猫の病気予防にかける費用の平均は、年間1万3,785円となっています。

<各種予防接種費用目安>
  • 混合ワクチン接種(1年に1回) 3,000円~5,000円
  • ノミ・ダニ予防薬 年間9,600円~1万8,000円(1回800円~1,500円)
  • 健康診断(1年に1回) 3,000円~8,000円

病気・ケガの治療費

同調査によると猫の年間医療費の平均は3万4,395円となっています。

その他(臨時でかかる費用・任意でかける費用)

臨時でかかる費用

  • ペットホテル・ペットシッター料金
利用料は、地域・サービス内容によって異なるケースが多いようです。ペットホテルの利用料は1泊3,000~8,000円程度ですが、地域や施設の充実度によって値段に差がでるようです。
ペットシッターに自宅に来てもらう場合は、1回3,000~5,000円ほど。このようなサービスを年に1~2回利用するとすると、年間3,000~1万6,000円の費用がかかるでしょう。

  • 光熱費
留守番時や就寝時など、暑さ・寒さに弱い愛猫のために冷暖房をつけてあげることもあるでしょう。住環境やお住まいの地域、猫種にもよりますが、とくに夏場は電気代が高くなるケースが多いです。

  • 家財の修繕費用
愛猫が大切な家具・壁で爪とぎをしてしまった、障子やふすまを破ってしまった……などという話はよく耳にします。簡単に自分で補修できればいいですが、修復が難しい場合、賃貸契約の場合など別途費用がかかるでしょう。

任意でかける費用

  • ペット保険
愛犬の病気やケガに備えて、ペット保険に加入する場合、犬種や加入年齢によっても大きく異なりますが、月に2,000~4,000円くらいの予算が必要です。
ペット保険に加入することで、医療費の負担は軽減します。

  • サプリメント
最近は猫用のサプリメントが数多く販売されています。腸内環境を整えるものや、関節炎予防、オーラルケア、目ヤニ防止などさまざまな商品があり、利用する人も多いようです。
ペット保険のアニコム損保が実施したアンケートでは、愛猫のサプリメント購入にかける年間平均額は4,428円という調査結果がでています。

  • 防災用品
ペットの防災に関する意識も強まる中、愛猫のために防災用品をそろえる方も増えているようです。
フードや水、衛生用品などの必需品のほか、ポータブルケージやトイレなどさまざまな商品があります。
猫用防災セットは1万円前後です。

まとめ

犬のようにトリミングやレジャーの費用はかからないといっても、猫もそれなりにコストはかかることがわかりました。

ただある程度費用がかかっても、それ以上に愛猫がもたらしてくれる喜びが大きいと感じる飼い主がほどんどです。
愛猫がいることで、心身の健康を保てるならばむしろ安上がりだと考える人もいるでしょう。

この記事では各費用について、それぞれ目安となる金額を記載しています。どこにお金をかけ、どこを節約するかは飼い主次第ですし、愛猫の性質にも左右されるでしょう。楽しみながら、計画的に愛猫との暮らしをスタートさせてくださいね。