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チンチラペルシャの特徴

西暦1500年より前に存在していたとされるペルシャ猫の歴史のなかで、チンチラペルシャは1800年代後半のイギリスで作出されたといわれています。

猫界の女王の異名をとり、その風貌の美しさから多くの愛好家が存在するペルシャ猫。新たな毛色を持つ個体の作出する過程で、チンチラペルシャは誕生しました。

青色のペルシャ猫と雑種の間に生まれた猫に、シルバータビー（縞模様）のペルシャ猫を交配。やがて誕生した子猫は、美しいシルバースモークの被毛をまとっていました。「銀の子羊」と呼ばれたこのオス猫は、美しいペルシャ猫のなかでも一際魅力を放っており、のちに「チンチラペルシャ」と呼ばれる猫の基礎となったのです。

ペルシャ猫の一種類であるチンチラペルシャチンチラペルシャは、独立した「品種」ではありません。ペルシャ猫におけるカテゴリーの一つです。しかしながら「チンチラペルシャ」タイプは、スタンダードなペルシャ猫と異なる美しい風貌が高く評価され、輸出されたアメリカでも熱心な愛好家を生み出しました。

やがて愛好家たちは、新たな品種としてチンチラペルシャをペルシャ猫の品種から独立させるべく、国際的な猫の登録団体であるCFA（The Cat Fanciers' Association）に品種登録を申請。ペルシャ猫との違いが毛色以外に認められず、品種としての新たな登録は見送られることになりましたが、キャットショーにおいて「ペルシャ猫・チンチラ部門」が新設されるなど、その美しさへの賛美は揺るがず、現在もアメリカでは高い人気を得ています。

チンチラペルシャの毛色チンチラペルシャの魅力の一つは、やはりふさふさの豊かな長毛。全身ホワイトのペルシャ猫とは異なるカラーが特徴的です。

■チンチラシルバー
トップ・アンダーコートともに白をベースとして、頭・背中・脇腹・しっぽの毛先に、黒が2割程度入ります。チンチラを代表するカラーです。

■チンチラゴールデン
茶色をベースとしたトップコートと、アプリコット（orアプリコットより明るい色）のアンダーコートに、シルバー同様黒が2割程度毛先に入ります。

■シェ―デッド、スモーク
毛先に入る黒色の割合で、毛の名称が変わります。
毛先から1/3～1/2位まで黒が入る場合は「シェ―デッド」、同じく毛先から2/3位まで黒が入る場合は「スモーク」と呼ばれます。

ベースカラーによって「シェーデッドシルバー」「シェーデッドゴールデン」「シルバースモーク」「ゴールデンスモーク」と呼ばれます。ちなみに、ペルシャ猫と違いチンチラペルシャには縞模様はありません。

チンチラペルシャの性格

ペルシャ猫らしく、穏やかでおっとりとしている性格をもちます。もの静かで落ち着いていることもあり、普段は鳴き声をあまりあげません。

あまり活発なタイプではないため、基本的にリラックスして生活することを望みます。
生後2年ほどで成猫になったあとは、静かにしていることが多いようです。無理に抱き上げたりすると嫌がることもあります。人とのコミュニケーションは決して嫌いではないので、しつこくしすぎず適切な距離をとるとよいでしょう。
あまりベタベタしていない性格なので、留守が多い一人暮らしの方でも安心して飼うことができます。

また、体力があまりなく疲れやすいので、運動は好まない傾向にあります。チンチラペルシャはがっちりとした体で、太りやすい体質でもあるので、食事の量や質を日ごろから管理することが大切です。

チンチラペルシャの飼い方

美しい被毛を守るためにケアが大切ペルシャ猫と同様、長毛で豊かな被毛を持つチンチラペルシャ。一つ異なる点は、ペルシャ猫と比べ毛質がやや軽いといわれ、明るい色合いが出やすいということです。

毛質が軽くて細い分、毛が絡まりやすくなります。できるだけ毎日1回、できれば毎日朝晩2回のペースでブラッシングをおこなうとよいでしょう。ブラッシングをおこなうことで毛玉ができることを防ぎ、魅力である美しい毛並みが保たれます。
耳のうしろと脇はとくに毛玉になりやすい箇所です。重点的にブラッシングをおこなうとよいでしょう。

太りすぎないような食事管理をあまりアグレッシブに動くタイプではないので、やや太りやすい傾向にあります。

かわいいあまりについついおやつなどを与えてしまうかもしれませんが、肥満は病気のもとです。おやつは特別な日に与えたり、キャットフードを低カロリーのものに切り替えたりするなど、太りすぎないような食生活を心がけてください。

ときには猫じゃらしなどを使って遊びに誘うのもいいかもしれませんね。

チンチラペルシャの寿命

平均寿命は、14.3歳※1。猫全体の平均寿命も14.3歳※2なので、平均的といえます。

飼育環境によってはさらに長生きすることもあり、なかには20年以上の長寿猫になるケースも。

猫が長生きできるかどうかは、飼い主さんの日々の健康管理にかかっています。少しでも多くの時間をともにできるよう、毎日スキンシップをとりつつ、愛猫の体調をチェックしてあげてください。
少しでも気になることがあれば、かかりつけの獣医師に相談しましょう。

※1　※2 アニコム家庭どうぶつ白書2022年

チンチラペルシャの病気

「多発性嚢胞腎症」という、腎機能が低下する病気にかかりやすいです。
これは先天性の疾患で、親猫がかかっていればほとんどの確率で遺伝します。初期はうちは目立った症状がなく、中高齢になってから、多飲多尿、食欲不振などの症状が表れることが多いようです。

遺伝性疾患なので、残念ながら予防法はありません。
現段階では完治させる方法も見つかっていませんが、投薬で症状を軽くすることは可能です。気になる症状がみられるようであれば、早めの受診を心がけてください。